SE(システム会社)とユーザー(企業)の間には、大きな「ギャップ」があります。

まずは、契約のお話です。
高額なシステム開発の案件になると、相見積もりを行うことになります。ここで出てくる見積り金額ですが、システム会社によっては、「他社さんは○○千万円を提示してきたのですが…」と言うと、根拠なく価格が変更されたりするケースがあります。ユーザー企業としては、見積り金額が下がったことに対する満足感とともに、「本当に信用しても大丈夫なのだろうか?」という疑問がわくのではないのでしょうか。

システムエンジニアをしていた私としては、「要件を削った」とか「ハードウェアの性能レベルを下げた」などであれば納得ですが、理由が不明確な「安易な値下げ」は非常に危険だと思っています。

危険な点としては、大きく、

・システムの品質が低下することはないか、
・プロジェクトが進むにつれて追加コストが膨らむことはないか、
・納期が間に合うか、

といった問題が考えられます。
プロジェクトの失敗を生み出す可能性もありますし、私の経験では、無理な値下げが人手不足を招くこともあり得ます。これは、ITに関わらず、どこの業界でも同じことです。「適正価格」をお互いが認識することが大事ではないかと思います。

また、システム会社による「要件の思い込み」も、よくあるケースです。
ユーザー企業の要件をしっかりと確認することなく、システム会社側で勝手に前提条件を考えて、オーバースペック(過剰品質)なシステムを開発してしまうケースがあります。
ちなみに、これについては、システム会社は、将来の保守作業やシステム拡張を容易にできるようにと考えて、善意でやっているケースも多いです。

そして、IT業界の特徴として、良くも悪くも「人材の入れ替わりが激しい」ことがあります。ITの人材市場は、スキルレベル次第で条件の良い会社へと転社しやすいため、結果として、システム会社の担当者は変更になりやすいといえます。そうなると、前任者からの引継ぎが御座成りになる可能性も自ずから増えてきます。ユーザー企業にとっては、何度も信頼関係を構築していくのはしんどいことです。

対策としては、ユーザー企業でも社内にIT人材をしっかりと育成しておくことが肝要です。

このように、システム会社とユーザー企業の間にはギャップがあるのです。お互いの苦悩、思いを心の底から分かち合い、そして、お互いが満足できる成功プロジェクトを生み出していくことを願って、私は今の仕事に取り組んでいます。