私が過去に関わってきた基幹システム更改では、ほぼすべてのお客様の基幹システムにおいて、新システムに「名前」をつけてきました。

基幹システムの検討(RFP策定)から導入・導入後の運用に至る過程においては、基幹システムの名称を、社内で何度も発言することになります。そのシステム名がいつまでも「新システム」という名称ではあまりに空虚でありますし、もったいないといえます。

システムに名前をつける目的は、下記のとおりです。

  • 皆が共通の名称を呼び合うことで、会社が新システム導入プロジェクト成功に向けて一丸となる。
  • 経営ビジョン、ミッション、会社の目指す方向性に常に立ち返ることができる。
  • 新システムに愛着を持つようになる。

常に発し続ける名前だからこそ、「新システム」という名称では勿体無いです。

新システム導入プロジェクト成功に向けた社内の一体感を生み出す

名前の付け方は企業により様々ですが、発言することによってポジティブになれる名前が望まれます。多くのお客様では、会社のミッションや経営ビジョンの中に出てくる言葉からピックアップされるケースが最も多いです。

経営方針・経営ビジョンやミッションに沿った名前をシステムに名付けることで、新システム導入プロジェクトがビジョン実現に欠かせないものであることを社内に認識させることができます。社内でプロジェクト成功に向けた一体感を醸成することができます。

また、新システムの名前にポジティブな名前を付ければ、「発話思考」の効果を生み出せます。仮に、「INNOVATION」という名前を付けたとしたら、何度も「INNOVATION」と発することによって、無意識のうちに「INNOVATION」を目指すようになります。

私が過去にIBMに勤めていた時も、ほぼすべてのシステムに名前、愛称がついていたのを記憶しています。

新システムプロジェクト会議に変化が…

「新システム」という名称から、システムに名前をつけた途端に、プロジェクトメンバーの一体感が一変するのをいつも感じております。

それまでの会議では「新システム」と呼ばれていたものが、新しいシステム名に呼び名が変わっているのです。経営ビジョンやミッション実現のために、プロジェクトを成功させようというメンバーの気概が伝わってくるようになります。

新システムに愛着を持ってもらうために

システム名に愛着を持たせるためには、経営者やシステム担当者の一存で決めるのではなく、プロジェクトメンバーで決めることが大切です。

また、プロジェクトメンバーで決めるに際しては、事前にシステム名について社内アンケートを行い、その結果も参考にして決める方法があります。アンケート用紙には、あらかじめ「経営方針や経営ビジョン、ミッションに関連した名前を付けてください」などと入れることで、会社の未来の方向性に沿ったシステム名が期待できます。

システム名を決定するプロジェクトメンバーは、システム部門のメンバーではなく、ユーザー部門から参加しているプロジェクトメンバーの意見を尊重して決定するのが望ましいです。

システム名を社内全体、全社から選抜されたプロジェクトメンバーで決めることで、社員が新システムに親しみ、愛着が持てるようになり、プロジェクト成功に向けた素地を作り出すことができます。