基幹系業務システム選び:相見積をとることが重要

基幹系業務システム(基幹システム)の導入費用の相場感を知るために欠かせないことは、「相見積をとること」です。

システム会社やパッケージシステムを選定する上で、導入価格は大きな判断基準になります。できれば相場感を知っておきたいところだと思いますが、はっきりとした相場は存在しておりません。

選択する基幹系業務システムによって性能差がある

相場がはっきりしない理由の1つ目は、パッケージシステムによって性能に差があることです。一概に「基幹システム」「業務システム」「生産管理システム」「販売管理システム」といっても、それぞれのパッケージシステムで機能の違いが必ずあります。競合他社に比べて「高機能」なパッケージシステムは、多額の開発費がかかっていたり、他システムに比べて付加価値が高いことから、売り手は高価格で販売することになります。
また、「機能」「性能」といっても、「この機能がいくら」「この性能がいくら」という基準はありませんから、やはり相場ははっきりしません。

カスタマイズに係る費用はシステム会社により異なる

相場が存在しない理由の2つ目は、パッケージシステムをそのまま導入せずにカスタマイズする場合、カスタマイズ開発費用がシステム会社によって異なることです。開発費用は「○人月かかるか」を予測して見積を行いますが、システム会社によって人月単価は異なりますし、それぞれのパッケージシステムによって、カスタマイズにかかる手間が全く異なりますので、やはり相場ははっきりしません。
(さらにカスタマイズ開発費用は、見積段階では「概算」しか分かりません。要件定義、基本設計の過程を経て始めて正確な価格が判明するのが一般的です。)

自社のニーズ次第でシステム導入価格は異なる

つまり、基幹系業務システムの導入費用は、システムに求める性能・機能や、カスタマイズの内容等により変動します。「社会一般的なシステムの相場」ではなく、「自社のニーズを満たすシステムの導入価格」を見極める必要があります。
そのためには、相見積もりをとって比較するということが大事になります。

相見積もりをとりたくても、システム会社によっては概算見積すらも断ってくる場合があります。見積作業もたいへんだからです。その場合は、人件費を支払って見積もってもらう場合もあります。